ケーキ作り実演会を終えて

先日、店のクリスマス企画の「ケーキ教室」を無事に終えさせて頂きました。

店のお客様対象に3回させて頂きましたが、不思議と各回とも集まられるお客様同士がとても趣味や環境が似ていらっしゃり、お互い仲良くなられて帰って行かれました事が何よりでした。

特に最終回の方々は偶然にもお一人ぐらしの60、70歳代の方々がほとんどでした。

ご主人さんに先立たれた方、離婚された方、結婚していない方とそれぞれご事情は違いますし、皆さん初対面ですのでそのご事情は私だけが知っていることですので、あえていう必要もないと思っていました。

しかし、ケーキ作りが終わって焼きたてのケーキを皆さんで「おいしい」と食べていると、ある方が「でもせっかくこんなおいしいケーキを作っても食べてくれる人がいないとね。一人暮らしだから」と話し始められました。

私は「そうですね。でもお友達やご近所の方にプレゼントされてもいいですしね」と言いますと「そうやね。どうしても一人だと家にこもってしまうから、そうやって外に意識を向けていかないとね」と仰られました。

そしてその方が「ごめんなさいね。暗い話しちゃって」と言われたので「そんなことないですよ。ここにいらっしゃる皆さんも似ている境遇の方々ですから」とあえてお伝えする事にしました。

すると皆さんもうなずかれながら「わかります」と話され「私は毎日3人の人と話すことを目標にしています」「私もなるべく外に出ていくようにしています」と次々話されはじめました。

よくシニアになったら「キョウヨウ」と「キョウイク」が大事と聞きます。それは教養と教育ではなく「今日、用がある」と「今日、行くところがある」という意味ですが、皆さんも意識されて生活されている事がわかり安心しました。

そして皆さん口々に「今日もケーキ教室をしてくださったからこそ、こうして出かけられて、皆さんとお話もできてよかったです! ありがとうございます」と言われますので、「こちらこそ、皆さんがこうして来てくださりケーキを喜んでくださればこそ作り甲斐もあるものです」と言わせてもらいながらつくづく「今日行くところがあり、今日する用事がある」ことのしあわせを実感いたしました。

そしてその事で、人の役に立ち、人に喜んでもらえたならば最高です。

来年は「お茶会」なども企画して、お客様同士がもっと楽しく繋がれる場を提供させて頂きたいと思います☺