こだわりを捨てた時

昨日、79歳のご婦人のお客様に爪のお手入と透明のマニキュアを塗って差し上げました。

仕上がった爪を見て「こんなに自分の手ってきれいやったかな」ととても嬉しそうで した。

 最初のきっかけは、私のネイルをした爪を見られ「きれいやね」とおっしゃられましたので「ネイルはできませんが爪のお手入れとマニキュアくらいならして差し上げますよ」と言ってさせてもらいますと、お客様は「こんなのしてもらったの生まれて初めて」と感激され「人に指を触ってもらうのって気持ちがいいものなんやね」と喜んでくださったのです。「こんなのお安い御用ですのでいつでもいらしてください」と言わせて頂きました。

 お客様が喜んでくださったり気持ちよくなって頂くことは出来るだけさせてもらっています。

 そして、そういったコミュニケーションの中でお客様も心開いてお話しくださり、そのことでお客様ご自身がご自分でいろんなことに気づかれ前向きになられ最後は笑顔で元気に帰って行かれます。

 

 昨日のマニキュアのお客様も、爪のお手入れしている間、ご主人さんが痴呆症のため施設に入ってらっしゃるのですが今はコロナ禍のため面会もできない状況で「楽なのですが寂しい」との胸のうちを初めて吐露されました。それでも「主人のためにも元気でいないと」と言われ「面会出来るようになったら主人にもこんな風に優しく触ってあげたい」と笑顔でおっしゃられたのでした。

 うちは商売をしてはおりますが、お客様に買って頂くことを目的とするのではなく、買って頂いてそこからいかに元気になって頂けるか、生活を改善して頂けるか、やる気モチベーションを保って頂けるかということが肝腎要になってきます。

そのためにはこだわりを捨て、あらゆる面から元気になって頂くきっかけづくりを提供し続けていくことが大事だと感じております。

 こだわりを捨て、目線を変え、意識を高く持ち、自分だけでなくまわりの方にも楽しんで頂きしあわせを感じて頂くことを目的としたならば、きっとそのことで自分自身も成長でき自ずと道も開けてくるのではと思っております。