マッサージで引き出されるもの

店のお客様へのサービスでマッサージをさせてもらっています。

始めたきっかけは夫が「子供の頃、風邪をひくたびおばあちゃんが足の裏を揉んでくれたのがとても気持ちがよくって、それをお客様にも味あわせてあげたい」ということでした。

店の中には畳敷きのベンチがあり、その上に敷布団を敷いて、ご希望のお客様にまずうつ伏せになって頂きます。肩から背中、足。次は仰向けになって頂き頭、お顔、腕、手、足の裏と全身のマッサージをさせてもらいます。

毎週のように来られるお客様もいれば月に一度の方もと頻度は様々ですが、お客様が「気持ちいい」と感じて頂けることがうれしく、またこうして触れ合うことでお客様に対する愛情や慈しみの心も更に増していくような気がします。

元々、人の手のひらからは「気」というパワーが出ていて手で触れるだけで癒やされ自然治癒力を引き出すことができると考えられています。そういう「手当て」の本来の意味もお伝えしながらお客様に「お家でもご夫婦や親子でマッサージされ合うといいですよ」とおすすめさせて頂いています。

私も仕事の合間に夫とマッサージをし合いっこしています。

また子ども達にも赤ちゃんの頃からマッサージをしてあげてきましたが、大学2年の息子はいまだに時々ですが「マッサージして〜」と言って来ます(笑)

でかくなった息子にマッサージしながら「普通逆じゃない?」と思わず笑ってしまいますが、こうして常に触れ合ってきたことで思春期の時も心穏やかに過ごせてきたように思います。

 

そして今は来年の1月で80歳を迎える夫の母にと心向けさせてもらっています。

日に日に体力がなくなって食事の時以外は横になっていることが多くなってきました。

昔のはつらつとして仕事に家事に勤しんでいた母の姿とくらべますととても寂しく感じておりますが、少しでも母と触れ合う時間をと今夕方、店がすく頃に2階に上がって母の背中のマッサージをさせてもらうようにしています。

母の部屋に行き「お母さん、マッサージしましょうか?」と聞きますと「お願いできるか」といって体を横にして背中を向けます。

私はマッサージしやすいように母のベットに乗ってさせてもらいますが、「気持ちいい」と言ってくれる母の言葉をとてもうれしく感じます。

そしてマッサージをしている間「食事美味しく食べれていますか?」とか話しかけたり子ども達の様子など話すこともありますが、何もしゃべらなくても自然な雰囲気の中で何の気まずさも気負いもなく穏やかな心で母への愛おしさだけを感じながらさせてもらっている自分にある意味驚いております。

そして思いましたのは、そのような母への心というのは私が培ってきたものでも何でもなく、これまでの母の姿が私をそうさせ自然とそのような心を引き出させてくれているのだと気づかせてもらいました。

マッサージをさせてもらうことで私自身もたくさんのしあわせと感謝を頂いている今日この頃です☺